自動運転の事故を防ぐには外部の助けが必要  

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いずれ自動運転車の時代が来るとは思うけど、機械にまかせても安心できるレベルの技術にはまだ達していないようで、抵抗なく受け入れられるまでには今後、紆余曲折はヤマほどあるだろう。

将来、自動運転車史に記されるだろうが、今年3月に起きたテスラとウーバーの自動運転車の死亡事故は、自動運転の世界的な熱気に水を差す出来事だった(AERAdot.)。

この記事の筆者、冷泉彰彦氏によると、こうした事故を防止するために、自動運転の技術者たちは、3つの方法を考えているという。

その3つとは、①歩行者に端末携帯を義務付けて「人車間通信(V2P)」で相互に事故を回避する、②自動運転車だけでは能力不足なので、交差点などインフラ側にカメラやセンサーを充実させて事故を防止する、③機械には理解不能な行動をする「人間」というものは、自動車から隔離する。つまり、人間を車道に近づけない--というものだ。

③は、冷泉氏が例に挙げている中国の「自動運転車モデル都市」でもない限り、あまり現実的な解決法に思えないので、①か②の方向を探っていくのだろう。もちろん、車載センサーの「三種の神器」と呼ばれる「LiDAR(ライダー=レーザー光線を使ったレーダー)、「カメラ」「ミリ波レーダー」の精度を高める作業も続けられるだろう。

誤検知が多く、信用されていない「センサー」

それでは、3月のテスラとウーバーの事故原因を踏まえると、どんな対策が考えられるか。

ウーバーの事故は、その瞬間を車載ビデオが録画しており、Kobaちゃんも見た。自転車を引いて車の前を横切る歩行者をはねる映像で、夜の事故なので暗いとは言え、なぜセンサーが気づかなかったのか不思議に思った。その程度のセンサーなのかと。

ところが、センサーは、ちゃんと気づいていたのだ。LiDARシステムが、衝突の6秒前に前方に自転車などの乗り物のあることを検知していた。そこまで気づいていながら、このLiDARシステムは誤検知が多いことから、緊急ブレーキシステムが働かなかったという
湘南エコノメトリクス)。

テスラの事故も、誤検知が多い前方監視用レーダーよりもカメラからの情報を重視したため分離帯を見落とし、そこに衝突してしまったようだ。

これは統計学でいう、第一種の過誤(情報が正しいのに、棄却してしまう)と第二種の過誤(情報が間違っているのに、正しいとしてしまう)のジレンマの問題だそうだ。

いずれの事故も第二種の過誤を小さくするために、誤りが多いLiDARシステムと前方監視用レーダーを無視するようにプログラムされていたことが事故につながった。

もっとLiDARとレーダーを信用してやればよかったのにと思うが、技術者たちは精度を高めていく果ての天井のようなものをすでに感じているのだろうか。

センサーの精度に限界があるとすれば、車の判断を助けるアシスタントを外部から与えればいいだろう。上記記事の筆者、室田泰弘氏は、テスラの事故の場合ならば、道路に分離帯の存在を警告するワーニング・ランプをつければ事故を防げるとしている。

前述の3つの対策の中の、③の方法である。いまでもETCをつけているかどうかを、高速道路の料金所に入る前に、事前チェックして車に教えているので、技術的には難しくないだろう。

道路インフラ整備には、税金や高速道路料金などの財源が必要になってくる。社会は自動運転歓迎だろうから税金投入を否定するとも思えないので、いずれ整備論が活発化していくのではないか。