なぜ、北海道全域が停電になってしまうのか

6日午前3時8分ごろ北海道道央部を襲った地震で、道全域の約295万戸が停電となった。北海道電力苫東厚真火力発電所が被害を受けたためだが、なぜ、1発電所の運転ストップで、函館や帯広、釧路、網走、稚内までもが停電になってしまうのか。

ひとつには、北電における苫東厚真発電所が占める役割の大きさだ。北電ホームページによると1、2、4号機があるらしいが(3号機はなぜか書かれていない)、合わせて165万kwで、この季節の需要量380万kwの4割を占めている。

[北海道電力の火力発電所] (数字は出力、KW)
▽砂川(石炭)

3号機 125,000
4号機 125,000
▽奈井江(石炭)

1号機 175,000
2号機 175,000
▽苫小牧(重原油・天然ガス)

1号機 250,000

▽伊達(重油)

1号機 350,000
2号機 350,000

▽苫東厚真(石炭)

1号機 350,000
2号機 600,000
4号機 700,000

▽知内(重油)

1号機 350,000
2号機 350,000

▽音別(軽油 ガスタービン)

148,000

もうひとつは、大供給元の苫東厚真発電所がストップしたことにより電力の需給バランスが崩れたため、稼働中だった他の火力発電所も停止させたためだという。

日経新聞が、その仕組みを説明しているので、そっくり引用しよう。
「電力は常に需要と供給が同量にならなければ「周波数」が安定せず、最悪の場合は大規模な停電が起きる。家庭などに送られる電気はプラスとマイナスが常に入れ替わっており、その入れ替わる回数を周波数と呼ぶ。この周波数を一定に保つには電力の発電量と使用量を一致させる必要があり、これが乱れると電気を使用する機器が壊れる可能性がある。電力会社は常に需要と供給が一致するように発電能力を調整して運用している。」
「北電は北海道全域でこうした調整をしている。今回は大規模な火力発電所が停止したことで電力の供給量が大きく減少したことから、連鎖的に発電所を停止させた。火力発電所を稼働させるためにも電力が必要で、北電は今後は水力発電所を動かして火力発電所に電気を送ることで発電を再開させていくとしている。ただ、送電線などの被害状況によっては復旧に時間を要する可能性がある。」

「常に需要と供給が一致するように発電能力を調整」するならば、稼働中のほかの火力も止めてしまったら、ますます需要オーバーになるのではないかとの疑問もわくが、まあ、電力ゼロにしてしまえば、問題の起きようがなくなるのだろう。

分散型電源の可能性

だとしても、いかに発電量が多いとはいえ、1発電所を急にストップさせても、需給を保ちながら運用することはできないのだろうか。北電の運用スキルの問題で、他の電力会社ならば乗り切れるハードルなのではないか。

もうひとつスキルの問題になるが、稼働中をストップさせた他の火力の再稼働はもっと素早くできないのだろうか。世耕経済産業相は、「6日中に砂川火力発電所を、7日中に伊達、知内などの火力発電所を再稼働させる」と言っているが、そんなものなのだろうか(NHK)。

電力系統運用の難しさといい、動きの鈍さといい、大電力発電所は厄介だ。福島原発事故は言うに及ばない。分散型電源の可能性を考えたくなる。何十年後は分散型発電が当たり前の時代になっているんじゃないかな。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする