9月24日週の出来事 トランプ大統領、中国の選挙干渉非難

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9月24日~30日の出来事

9月 ※海外は現地時間 JST=日本標準時 30日まで出来事を順次追加、更新
24(月) 米韓首脳(トランプ-文)会談(NY)「朝鮮戦争の)終戦宣言と、2回目の米朝首脳会談の日付、場所に関し突っ込んだ話し合い」(JST25日)
米、中国からの2000億ドル輸入品に10%の追加関税を発動 制裁第3弾
25(火) 日韓首脳(安倍-文)会談 文「正恩氏、日本との対話する用意」を安倍に伝える(JST26日)こちら
茂木経済財政・担当相・ライトハイザーUSTR代表による日米貿易協議(1日延期されていた) 日米の貿易拡大の枠組みで一致
トランプ米大統領が国連総会で演説 イラン、中国批判、グローバリズム否定
26(水) 日米首脳(安倍-トランプ)会談(NY) 2国間の「物品貿易協定」の交渉開始で合意。自動車への追加関税は一時回避(JST27日) こちら
米連邦公開市場委員会(FOMC) 予想通り、今年3回目の利上げ 政策金利の誘導目標を0.25%引き上げ、年2.00~2.25%に
27(木) 4~6月期の米GDP確定値4.2%
28(金) 8月の失業率は、2.4% 7月より0.1%改善
29(土) 北朝鮮の李容浩外相が国連総会で演説
30  (日) 沖縄県知事選 辺野古移設反対の玉城デニー氏当選

[米中関係、通商から飛び火]

24日の週は、国連総会を舞台に首脳外交が展開され、日米韓の首脳も相互に会談し、北朝鮮問題などを話し合った。その内容は想定内のもので、むしろ、驚かされたのは、トランプ大統領の国連安全保障理事会での中国非難だ。

26日の安保理会合に出席した同大統領は「中国が11月の米中間選挙に干渉しようとしている」と予期せぬ爆弾発言を繰り出したのだ。貿易紛争でこじれている米中関係は、通商分野から外交そのものに飛び火するのではないか。

選挙干渉の目的は、中間選挙での共和党敗北だそうで、その理由について、トランプ氏は、安保理会合で「彼らは我々に勝利してほしくない。なぜなら私が通商問題で中国と対決する初の大統領で、通商問題で勝利しつつあるからだ」と説明した(朝日新聞)。

その後の記者会見では「証拠はある」と述べ、いずれ具体的根拠を発表する方針を表明したというから、中間選挙向けの一時のパフォーマンスでもなさそうだ(産経新聞)。そこまでされたら、中国も黙っていないだろう。

トランプ大統領はこれまで「習近平国家主席は友人であり、素晴らしい関係を築いている」と繰り返してきたが、この日の会見では、「もはや友人ではないかもしれない」とも述べた(ブルームバーグ)というから、かなり本気に見える。

習近平主席はこの期間、東北三省を視察しているようで、26日には、黒竜江省チチハル市、吉林省松原市、27日には遼寧省瀋陽の工場などを訪れていた(新華網)。

[日米通商交渉]

対日貿易赤字削減の交渉については、26日の日米首脳会談で、日本が2国間交渉を認め、「物品貿易協定(TAG)」の交渉を始めることになった。TAGという目新しい言葉を使っているが、事実上、日本政府が嫌がっていたFTA(自由貿易協定)のことである。

日本側は、米国をTPP(環太平洋経済連携協定)に取り込めず、2国間交渉に応じることになったが、自動車への追加関税を回避できた。今後の交渉で、農産品の関税引き下げなど輸入拡大策の対応が迫られることになるが、共同声明には、「日本は農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であること」とあり、つまり、TPP以上の譲歩はできないことの約束を取り付けることができた。

一方、共同声明には「米国は自動車について、市場アクセスの交渉結果が自国の自動車産業の製造及び雇用の増加を目指すものであること」という一文が盛り込まれており、トランプ大統領にとっては、日本を2国間交渉に引きずり込んだことも加え、11月の中間選挙で国民にアピールできる材料を獲得できたと言えそうだ。

[北朝鮮]

24日の米韓首脳会談では、冒頭で韓国の文在寅大統領が「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は(米国と)共に非核化のプロセスを迅速に終わらせたいとの希望を伝えた」と述べ、その後も「北朝鮮の非核化」と「2回目の米朝首脳会談開催」に何度も言及した(朝鮮日報)。しかし、2回目の米朝首脳会談の日程や場所が明らかにされることはなかった。

25日の日韓首脳会談では、文大統領が、金正恩委員長の「適切な時期に日本と対話し、関係改善を模索していく用意がある」と、日朝首脳会談に意欲的であることを安倍首相に伝えた。安倍首相も「北朝鮮との相互不信の殻を破り、金氏と直接向き合う用意がある」と会談開催に積極的な姿勢で応じた(産経新聞)。

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