原油価格は100ドル突破するのか① サウジ-ロシア協調

原油価格が1バレル100ドルを突破するとの見方が強まっていると昨日伝えたが(Kobaちゃんの硬派ニュース)、今後どうなるかの見通しをまとめた。まずは、WTI先物が72ドル、北海ブレントが80ドル超に至るまでの経過をたどろう。

過去に100ドル突破したのは、それほど珍しいことではなく、WTI先物原油の月足で見ると、2008年3~9月、2011年3~5月、2012年1~4月、2013年7~10月、2014年2~7月の期間、100ドルを超えていた(米エネルギー情報局)。

今回、価格上昇までの経過は、日経ビジネスのこちらの記事(筆者は、日本エネルギー経済研究所石油情報センター調査役の橋爪吉博氏)に丁寧に書かれている。下の図はそちらから引用させてもらった。

4年前は100ドルを超えていた

記事に沿って時を追うと、前述したように14年7月までは100ドルを超えていた。そこから急激に下落し、15年1月には47ドルと半分まで落ち込んだ。

下落の原因は供給過剰だったという。原油価格が上昇すると、米国産シェールオイルの採算が取れるようになるので、休んでいた油田が復活、増産される。これに対し、サウジアラビアが主導するOPECでは、加盟国の増産を容認し、原油相場を軟調にして、シェールオイルが脱落するのを待つシェア戦略を発動した。

思惑通りに価格は下がったが、16年1月には30ドル割れの水準となり、想定外の暴落だったのだろう、産油国の財政は赤字に陥った。

このため、産油国は戦略を転換、16年11月にはOPECが、12月には非OPEC諸国が減産で合意した。「サウジアラビアが主導するOPECとロシアが主導するOPEC非加盟産油10カ国は、17年初から1日あたり約180万バレル(世界石油需要の約2%相当)の協調減産をスタート」させた。

すぐには減産は実施されなかったようだが、原油価格は「17年6月の45ドルを底に徐々に回復し、年末には一時65ドルを超えた」。

今回の原油価格の上昇は、対イラン制裁のような地政学リスクも上昇の要因になっているが、ベースにあるのは、原油需給の環境改善であり、「より具体的にはサウジとロシアの協調関係を基礎とした協調減産の成果といえる」と橋爪氏は分析する。

確かにこれまでの経過を見ると、サウジ-ロシア協調が始まりであることがよくわかる。次回は地政学リスクと短期、中長期見通しを紹介する。

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