【今週起きそうなこと(12月3日~)】OPEC、原油減産を決定か

12月3日~12月9日 ※海外は現地時間
週内
3(月) 国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)開会式(ポーランド・カトウィツェ、14日まで)産経新聞「2020年開始のパリ協定の実施ルールでの合意目指す」
7~9月期の法人企業統計
2018ユーキャン新語・流行語大賞発表
4(火)
5(水) パウエルFRB議長が経済見通しで議会証言 日経新聞 「市場は19年以降の利上げペースに注視」
韓国・光州高裁 三菱重工業に対する元女子勤労挺身隊員の損害賠償
訴訟控訴審判決
6(木) OPEC総会(ウィーン、~7日)こちら
欧州中央銀行(ECB)拡大理事会 ロイター「ECBの政策軌道に変更はない=ドラギ総裁」
宮崎県知事選告示(23日投開票)
7(金) 10月の毎月勤労統計調査(賃金)
ドイツ与党・キリスト教民主同盟(CDU)党首選  共同通信「CDU支持者の世論調査では、メルケル後継の女性候補がリード」
11月の米雇用統計
8(土)
9(日)
(出所)時事通信、ジェトロ等
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[OPEC総会]

12月3日週の要注目は、6~7日にウィーンで開かれるOPEC総会、7日のドイツ、キリスト教民主同盟(CDU)メルケル党首の後継を決める党大会だ。ここではOPEC総会に絞ってニュース編集する。

2カ月ほど間には1バレル=100ドルに達すると思われていた原油価格(ブルームバーグ)が大方の予想に反して約3割下落した。OPECはトランプ大統領に配慮しながら価格回復を狙って減産を決めそうだ。(Kobaちゃんの硬派ニュース「原油価格は100ドル突破するのか」には、2017年の協調減産など近年の価格の動きなどを紹介しています)。

130万バレル減産が必要

総会を前に、加盟国に方針を助言するOPEC経済委員会は、需給均衡のため今年10月時点の生産量から日量130万バレル減産する必要があるとの意見を加盟国閣僚らに伝えた(ブルームバーグ)。

原油価格が急落した要因は「米国での生産ブーム、米国の制裁免除のためイラン原油の供給が予想より多いこと、主要産油国のロシアとサウジアラビアが夏から生産を増やしていることだ」(ウォールストリート・ジャーナル)。

制裁免除とは、米国がイラン産原油の輸入禁止を8カ国・地域については適用除外としたことだ。このほか、世界経済の減速懸念も影響しているだろう。

これらの要因の中でも、米国での生産増が目立ち、米エネルギー情報局(EIA)のデータによると、米国からの原油輸出は「6月に日量300万バレルのピークに達した。これは15年に米国産原油の輸出が解禁されて以降で最高の水準だ」という(同上)。

米国産のシェール原油は中東原油に比べ採掘コストが高く、採算ラインはバレル50ドルあたりと言われる。10月までの価格上昇で生産を再開する油田が増えたのだ。

こうした供給増の結果、在庫が増加し、価格押し下げの圧力がかかった。国際エネルギー機関(IEA)の予想では「経済協力開発機構(OECD)加盟国の石油在庫が近く5年平均を上回る」水準に達する(同上)。

直近の原油価格は、WTI原油先物は50ドル前後、北海ブレント原油は60ドル前後で動いている。この価格では中東で財政赤字になる国が出てくる。「国際通貨基金(IMF)によると、財政収支を均衡させるのに必要な原油価格の水準は、サウジでバレル当たり88ドル、アラブ首長国連邦(UAE)は71ドル程度だ。現在の価格水準で財政収支の均衡が可能なOPEC加盟国は、イラク、クウェート、カタールに限られる」(ウォールストリート・ジャーナル)。

原油価格が上昇するとトランプ大統領がたびたび文句をつけるので、OPECもなるべく大統領の反発を招かないような減産を工夫していた。たとえば、サウジアラビアは、2016年に設定した生産枠よりも約100万バレル(日量)上回る原油を生産しているが、これを元の生産枠に戻す案だ。「現行の生産目標量順守」と発表すれば、目立たない実質減産になる(ウォールストリート・ジャーナル)。

トランプの怒りを買っても減産

もともとサウジが増産していたのは、イラン産原油の輸入を禁止する対イラン制裁実施に備えたトランプ大統領からの増産圧力を受けたものだった。サウジは記者殺害事件も抱えており、トランプ大統領を刺激したくない状況だが、OPEC内部では「原油安を求めるドナルド・トランプ米大統領の怒りを買うことになっても、相場の値崩れを防ぐために共同で行動すべきとの考えが広がっている」と11月28日のウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

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