【今週起きそうなこと(12月24日~)】パウエル議長解任話 株価は下落か

12月24日~30日※海外は現地時間
週内
24(月)
25(火)
26(水)10月30,31日の金融政策決定会合議事要旨
南北鉄道連結事業の着工式(北朝鮮、板門駅)
27(木)
28(金)11月の労働力調査(失業率)、有効求人倍率、東証大納会
29(土)
30(日)

(出所)時事通信、ジェトロ等

24日週は、政治もビジネスも事実上、2018年最後週になり、公式上の予定で注目されるものはない。しかし、サプライズなニュースは入ってくる。ブルームバーグは、22日午後「トランプ氏、利上げ決定後にパウエルFRB議長解任を議論」との記事を伝えた。

 トランプ大統領がFRBの利上げに対し初めて不満を言い放ったのは、7月のCNBCでのインタビューだった。その後もメディアのインタビューなどでFRB批判を口にして「FRBは中国よりももっと大きな問題」「中国と貿易取引しているのにFRBは助けてくれない」(11月26日)と、米中摩擦への懸念で株価が下落するにつれ発言をエスカレートさせていった(Bloomberg)。

そして、12月18~19日のFRBの公開市場委員会(FOMC)後のパウエル議長の発言が市場の期待よりもタカ派的なスタンスで、米国株が大幅に下落したことから、「ここ数日、トランプ大統領は何度も私的な場でパウエル議長解任を語っていた」という(同上)。

もし本当に解任したら、FRBの政策決定を市場は信用しなくなるだろうから、金融市場が大混乱に陥るのは必至だ。トランプ大統領のアドバイザーたちもそう警告し「 側近らはトランプ氏が実際に行動起こすとは確信を持てておらず、大統領のひとしきりの怒りが年末年始の休暇中に収まることを期待している 」という。

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株価、どこまで下落する

 トランプ大統領を苛立たせている米株式市場は、週末の21日もダウが414.23ドル(1.8%)下落し2万2445.37ドルで終えた。2017年9月29日以来の安値だという。この日、午前中には394ドル高と上昇する局面もあったから、そこから800ドル超も下げたことになる(日経新聞①)。

 ダウの先週1週間の下落率は6.9%安で、リーマン・ショック直後の2008年10月以来、約10年ぶりの大きさという(日経新聞②

 日本は、24日が振替休日なので、連休明けの日本市場は、25日の米市場の動き次第になりそうだ。

 市場には悲観的な声が段々と強まってきているように見えるが、ウォールストリート・ジャーナルは「ただ現在のセンチメントからは、ほとんど方向性は読み取れない」という。

「投資家心理が極端に弱気というわけでもない」からだ。米個人投資家協会(AAII)の調査などは、強気派よりも弱気派が多いが「弱気の度合いは2010年、13年、16年に最も落ち込んだときほど大きくはない」。2016年とは前年の人民元安をきっかけに始まった中国発の世界株安がまだ続いていたときだ。

 景気も悪化しているわけではない。「S&P500種構成企業の営業利益予想は、これまでの10%増から8%増へと下方修正されたが、依然として増益予想となっている。同様に経済調査会社コンセンサス・エコノミクスが集計した来年の国内総生産(GDP)伸び率の予想平均は、先月後半時点の2.8%から2.5%に引き下げられたものの、2018年スタート時点および昨年の水準を上回っている」

 しかし、米中90日間交渉の失敗や合意なきブレグジットなど、株価をさらに下落させる火種には事欠かない。「株価の乱高下を念頭に置いておくべき」局面にあると同紙は結論付けている。

パウエル議長解任が本当に実現すれば、前代未聞であり、トランプ大統領の思いとは逆に株価はさらに下落するだろう。大統領の私的な発言が実現するとは市場も受け止めないだろうが、悲観的なムードになっているだけに、下落に拍車をかける心配もある。とりあえず、24日のニューヨーク株式市場はどう反応するか。

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