【今週起きそうなこと(1月14日~)】② メイ首相の頭越しに、ハードブレグジット回避へと動く英議会

1月14日週に要注目の英議会下院のブレグジット合意案採決。15日だ。このテーマ、先週も取り上げたが(Kobaちゃんの硬派ニュース)、この1週間でハードブレグジットを避ける英議会での新しい動きがあったので、今週もまとめることにする。

メイ政権がEUと合意した離脱案が下院で可決される見通しはなさそうだ。では、3月29日に英国が合意なき離脱に至るのか。メディアの記事を読んでもはっきりしない。悲観的に結ぶ記事もあるが、メディアの紋切り型の終わり方にすぎない感じもする。ハードブレグジットを避けたいと考える議員が多いので、どうも、そうならないようにも見える。

新年に入って議会が立て続けに可決した二つの動議がその表れだ。ひとつは、1月8日に合意なき離脱となった場合に政府の権限を制限する財政法修正案。「政府は合意なき離脱について議会の承認を得なければ、離脱後も税制が円滑に機能するよう税関連法を改正する権限を行使できなくなる」(ロイター)。政府の手を縛ることで、合意なき離脱を進めにくくしようという狙いがあるようだ。

超党派の投票で、303票VS296票の僅差。ロイター記事は、野党議員のこんな声を伝えている。
「十分な数の議員が混乱を伴う合意なき離脱に賢明な方法で反対する用意があることが明らかになった」。ハードブレグジットを避けたい意思がもたらした採決だったことがわかる。

続く9日には、「政府案が否決された場合、政府は議会の3営業日以内に代替案を出す」との動議が提出され、これがメイ政権の意に反して可決された(日経新聞)。これも308票VS297票の僅差だった。

これまでは、政府案が否決された場合、政府は21日以内に代替案を出すことになっていた。そうなると、議会審議は2月に持ち越されてしまう。3月29日までの期間は短く、合意なき離脱が現実化してしまう。代替案をもっと早めに探ろうという意味らしい。

通常の慣習をひっくり返した下院議長

議会の進行は本来、内閣が決めるもので、ジョン・バーコウ下院議長が動議の採決を認めたことに対し、BBCは「この決定は通常の慣習をひっくり返すもので、ブレグジットの行方にとてつもない影響を与える」と伝えている。

さらに、「下院はあらゆる代替策を検討できることになる。「管理つき合意なし」ブレグジット、2度目の国民投票、「ノルウェー方式」、もしくは現行の離脱協定の議論再開など、選択肢はいくつかある」という。

こうしたニュースを見ていると、どうもメイ首相の思いとは別の方向で議員たちがいろいろと動いているようだ。

強硬離脱派からは「『合意なし離脱』が(EU離脱を決めた16年の)国民投票の意思に最も近い」(ジョンソン前外相)とハードブレグジットを辞さない声も出ているが、これまでのニュース記事を読む限りは過半数には満たない。

政府案否決→代替案模索が一番ありうるシナリオなのだろうか。

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