フェイスブック仮想通貨「リブラ」の仕組み② 普及しそうな理由

ビットコインやイーサのような現行の仮想通貨(暗号通貨)とリブラの最大の違いは、裏付けとなる資産を有するか否かだ。現行暗号通貨は、資産を持っていない。このため、価値(価格)が大きく変動する。

ビットコインの価格を振り返ると、1BTC=240万円台まで高騰したが1年後には35万5000円台に暴落するような不安定ぶりだ(仮想通貨Watch)。そんな不安定な通貨を取引で受け取りたくない。1度や2度ならばまだしも、ビットコインをベースに安定した経営は成り立たない。交換手段としては使えないので、結局、投資、投機にしか使い道はなく社会には広まらない。

リブラを保証する資産がある

これに対し、リブラは、リザーブ(準備資産)を持ち、いつでも法定通貨と交換できるようにする。リザーブの資金の源は2つある。ひとつは、出資者たちで、もうひとつはリブラを実際に使うユーザーだ。ユーザーはリブラを買う(入手する)ために法定通貨を支払う。量的には、ユーザーの支払い分が圧倒的な割合を占めることになるのだろう(公式サイト リザーブ)。

蓄えられたリザーブは、銀行預金、世界各国の短期国債に投資される。手堅い投資先だ。世界的に低金利なので、いまは年利回り1%ぐらいかもしれないが、そこで得られる利子はリブラ協会の運営、開発に使われ、まだ残りがあればリブラに出資した企業に配当として回される。

事実上のリブラ使用料

ユーザーは、リブラを買う代わりにお金を銀行に預けたり国債を買っていたならば、利子を得られるわけだが、その利子を放棄して、リブラの使用権を得ることになる。放棄した利子は、リブラの事実上の使用料と言える。

銀行預金や短期国債ならば、比較的素早く現金化できるから、たとえ、ユーザーが法定通貨との交換に殺到しても対応できる。もっとも、即現金化できるわけではないから殺到されたら対応できないかもしれないが。それでも、預金を貸出に回している銀行に比べたら取り付け騒ぎに発展する可能性ははるかに小さいだろう。

こうした手堅い裏付け資産があるから、人々は安心して取引の代金としてリブラを受け取ることができる--そんな設計図になっている。

出資額は1000万ドル以上

リブラ協会に出資した企業、いわゆる創立者は27社・団体ある。次の通りだ。マスターカード、ビザ、ペイパル、イーベイ、スポーティファイ、ウーバー、ボーダフォンなどの名前が見られる。来年前半にリブラが発行されるまでに100社・団体に増えると協会は見込んでいる(ホワイトペーパー)。

▽決済
Mastercard, Mercado Pago, PayPal, PayU (Naspers’ fintech arm), Stripe, Visa
▽テクノロジー・マーケットプレイス
Booking Holdings, eBay, Facebook/Calibra, Farfetch, Lyft,
Spotify AB, Uber Technologies, Inc.
▽電気通信
Iliad, Vodafone Group
▽ブロックチェーン
Anchorage, Bison Trails, Coinbase, Inc., Xapo Holdings Limited
▽ベンチャーキャピタル
Andreessen Horowitz, Breakthrough Initiatives, Ribbit Capital,Thrive Capital, Union Square Ventures
▽非営利組織、多国間組織、学術機関
Creative Destruction Lab, Kiva, Mercy Corps,Women’s World Banking

創立者は、リブラ協会の運営組織である評議会のメンバーになる。出資額は1000万ドル以上で、1000万ドルにつき評議会で1議決権が付与される(公式サイト リブラ協会)。

次回は、出資企業が得るメリット、利益などをまとめる。

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