中国のデジタル人民元に高まる警戒感 「デジタル円で対抗」

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トランプ政権は、デジタルドルを発行するつもりはない

 今年は、日本でも中国が発行を計画しているデジタル人民元への関心が一段と高まりそうだ。麻生財務相は、1月6日の全国銀行協会の賀詞交換会のあいさつで、「大きな問題だ」と新年早々、警戒感を示した。

中国がデジタル人民元を発行する狙いのひとつと見られているのは、ドルの通貨覇権から免れ、ゆくゆくは人民元経済圏を確立することだ。麻生財務相の警戒感もそこにあると見られる。
中国に対抗して、日本にもデジタル円の発行を求める声も出てきそうだ。デジタル人民元をめぐるニュースをキュレーションした。

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▽デジタル人民元の狙いなど

当ブログで12月にアップした「米国の「制裁封じ」にも使いたいデジタル人民元 中国内では紙幣代わりに」に4つの狙いを要約した。中国は特に、米国からの経済制裁により、国際的な決済ネットワーク(SWIFT)から外されるのを恐れている。ネットで送金できる人民元経済網を構築できれば、制裁も怖くない。

▽「デジタル円」発行

自民党議員による「ルール形成戦略議員連盟」(会長=甘利明・元経済再生相)の中山展宏外務政務官は、「デジタル円」の発行を視野に早期に官民で検討を始めるよう提言をまとめ、2月にも政府に提出する方針を明らかにした(ロイター「日本で「デジタル人民元」警戒論、ドル基軸揺らぐ恐れ」1月24日)。

日銀や欧州中央銀行(ECB)などは、デジタル通貨の機能や技術などを共同研究していくことを21日に発表した。しかし、デジタル人民元に警戒を示した麻生財務相は、中銀発行のデジタル通貨について、「信用性を考えないといけない」と述べ、日本での発行に必ずしも乗り気には見えない(日経新聞)。

▽米国の警戒

(NHK「デジタル人民元 中国の野望 アメリカの焦り」12月25日 結構長い記事です。ムニューシン長官の発言は終わりの方)

米国でも、カーター元国防長官が「デジタル人民元は中国の経済力を強め、アメリカを弱体化させる」などと警戒感が高まっているが、トランプ政権は、表向き対抗意識を示していない。

昨年12月5日、議会の公聴会でムニューシン財務長官が、議員から「中国のように独自のデジタル通貨を保有しないのか」と質問され、こう答えた。
「中国は国内のお金の流れを追跡するためにデジタル人民元を発行するが、FRBはすでに追跡の仕組みを持っている。今後5年間はデジタル通貨を発行する必要はないと考えている」

「国内のお金の流れを追跡」とは、金融、経済政策に有効活用するということか。発行の狙いをずいぶん限定しているように聞こえる。追跡には、資本流出やマネーロンダリングも含まれているはずなので、「国内外」と言わなかったのも限定評価の印象だ。

肝心の米国の経済安全保障が脅かされることについての質問は出なかったのだろうか。米国に関わってくるのはそちらの方なのに。

ちょっと腰が引けたムニューシン発言だが、それでも米国はデジタル通貨の覇権争いに加わらざるを得ないと見るのが日経の「デジタル通貨、「ドル防衛」へFRBも独自研究」という1月22日の記事。

記事によると、ドルの発行元・連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も、デジタル通貨について「利点よりもリスクの方が大きい」とみてきたという。

米国がデジタルドルに消極的なのは、「ドル1強」のいま、「米国は現状維持こそ最善のシナリオだ」からだ。「デジタルドル」を発行しても、「サイバー攻撃にさらされて基軸通貨ドルが消滅したり強奪されたりすれば、世界経済は瞬く間に金融危機に陥る」。

金融システムも激変するので、「世界の金融秩序を主導するウォール街の弱体化につながる」と米国は見ているという。

だが、デジタル人民元が普及し始めたら座して待てない。いずれ中国に対抗せざるを得なくなるだろう。「FRBは基軸通貨ドルを維持するためのデジタル通貨構想を迫られている。」と記事は締めている。

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