新型肺炎に有力な治療薬 迅速な中国科学界

   肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大が心配されているが、抗エイズウイルス(HIV)薬が効き目があるらしく、中国ですでに試験的に投与されている(ロイター)。

 今回、武漢市、湖北省など地元当局の初動の遅れが批判されているが、それと対照的に、中国医療科学界は、新型ウイルスの特定に続き、治療候補薬の発見と、驚くほどの迅速な動きを見せている。

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アッヴィの抗エイズウイルス薬が有力

 ロイターによると、この抗HIV薬は、米国の大手製薬メーカー、アッヴィの「アルビア(カレトラ)」。中国政府は23日公表の指針で、新型コロナウイルスに有効な治療薬はないとしているが、カレトラ配合錠「ロピナビル/リトナビル」を2錠と、吸引機器「ネブライザー」で投与される「アルファ・インターフェロン」を1日2回服用するよう勧めているという。

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 ロイターの記事は慎重だが、中国の一部の報道では、「既存薬から効くものがあるかどうかの臨床を行った結果、抗HIV治療薬のロピナビル/リトナビル(商品名カレトラ)を4錠投与した患者160人が症状が大きく改善したとのこと」だ(NEWS PICKS、大山敬義氏が中国報道を要約している)。日本では、テレビで、専門家が「治療薬はない」としか話さないが、カレトラが本当に効力があるのならば、感染拡大ストップに期待できそうだ。(「感染拡大ストップ」はワクチンの登場を待たないと実現できないですね。「重症化を防ぐ治療薬として」とか、「重症患者を救う治療薬として」と表現すべきでした)。

 上海で化学生物学を教えている、HattoriM先生は、新型コロナウイルスに関する中国での動きをツイッターで伝えてくれているが、今回、抗HIV薬を治療候補薬として突き止めたことに、「これは物凄いスピード!」と称賛している。

 これはSARSの経験が生きているようで、SARS時に、ロピナビル/リトナビルが致死率を低くする効果があることに気づいていたようだ。

 この時の経験が引き継がれていたようで、抗HIV薬のロピナビル/リトナビルを用いた治療は、国家衛生健康委員会がすでに発表している「新型コロナウイルス肺炎診療プラン(試行第3版)」の中でも推奨されているという。

 効果があったとする情報がインターネット上に掲載されているので、北京市の衛生健康委員会がコメントした(新華社)。「診療プラン」に書かれているので、治療に当たっている医師の間では共有されているはずだ。

 対応が迅速だったのは、それに加えて、中国はタンパク質の配列を探るシーケンサーの技術がきわめて高いらしい。

 問題は、もしカレトラが治療薬として本格的に投与されるようになった場合、生産体制が追いつくのかどうか。アッヴィは、シカゴ北郊に本社を置き、2013年にアボット・ラボラトリーズから分社独立した。まだ設立間もないが、昨年、美容向け医薬品に強いアラガンを6兆7000億円という巨額で買収しているというから、有力製薬会社の存在といえる(Wikipedia)。

 なお、新型コロナウイルスの情報については、HattoriM先生のツイートは、とても勉強になるが、そのHattoriM先生が勧めているのが、上海東和クリニックで中国伝統医学医師の藤田康介先生のツイッターだ。
ご参考に。

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