新型コロナ 「本当は感染者数はもっと多い」は事実なのか

目次

Bad Newsに見えるが、Good Newsでもある

東洋経済のデータサイトが便利

検査数が突出して増えた謎

韓国の検査数は日本の24倍

致死率は1%以下に落ちる

 日本は、新型コロナウイルスの感染率が低いのではないか、という明るい話を小耳にはさんだので調べてみた。でも、残念ながら、巷間言われている「日本はPCR検査数が少ないから患者数が少ない」説の方に、どうも分がありそうだ。

Bad Newsに見えるが、Good Newsでもある

 とは言っても、当方がそう考えた根拠は、韓国のPCR検査数を、これまでの日本の感染率(陽性発見率)に掛け合わせただけなのだが、とにかく感染者数は1万人を軽く突破してしまう(後述)。

 もっとも、これは一見、Bad Newsに見えるが、致死率は一気に低下するからGood Newsとも言える。それに、「検査数を増やして軽症の感染者を見つけ出すよりも重症がはっきりしている患者の治療を優先させる」という日本の方針が全面的にバッテンとも思えないので、「感染者数は本当は1万を超えている。だからダメなんだ」と受け止める必要はないはずだ。

 医師でも統計の専門家でもない当方が、医療の数字をいじくって云々するのは居心地悪いのだが、データの参照先や不可思議な数字があることなど、多少は参考になるかと信じてアップしました。

東洋経済のサイトが便利

 前置きが長くなってきて恐縮だが、もうひとつ、ディテールに入る前に、新型コロナの感染者数、検査数を確認できるサイトを紹介しておこう。断片的なニュースは聞くけど、仕事が忙しくて流れがつかみにくいという人は、流行期間中、ブックマークやお気に入りに入れておくといいかも。
 まず、東洋経済オンラインの「新型コロナウイルス国内感染の状況」。
制作者の荻原和樹氏は、経歴によると、東洋経済新報でデータを扱う仕事を続けてきた人だ。元データは、厚生労働省が毎日発表する報道資料のようだ。感染者数のデータサイトは、NHKYAHOOにもあるが、東経のサイトは、詳しくて見やすい。

 もうひとつ、今回、韓国のPCR検査数が知りたくて行き着いたのが、KCDC(韓国疾病予防管理局)のPress Releaseサイト。「updates of COVID-19 inRepublic of Korea」に日々の検査数、陽性数が出ている。

 それでは、ここからディテールに入る。

検査数突出して増えた謎

 上記、東経のサイトを開いて目を引くのは、「PCR検査数の推移」グラフの3月4日分だ。累計棒グラフの棒の長さが極端にグンと伸びている。下の「新規」のグラフを見てわかる通り4日の突出ぶりが際立つ(このサイトは、武漢からの政府チャーター便帰国者、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客、乗員は除いている)。

 棒グラフの上にカーソルを置くと数字が出てくるが、検査数が前日3日の1855人から5690人へと一挙に3835人も増えた。にもかかわらず、陽性者数は253人から269人と16人しか増えていない。つまり、4日の陽性発見率は、16/3835×100=0.4%だ。

 4日だけの数字を見ると、確かに日本は感染率が低いと思い込んでしまう。しかし、周辺の数字を見ると、どうも様子が違う。

 新規のPCR検査数と陽性者数を見ると、5日258人、33人、6日699人、31人、7日553人、59人と陽性発見率は7~13%近くの範囲だ。2月に検査数の多かった2月17日を見ても、273人、25人と9%だ。

 こうした数字を見ると、3月4日の数字はありえない。なぜ、この日だけ、検査数が3000も跳ね上がり、感染率が相当低いのかは謎だ。4日版の厚労省の報道資料を見たが、それらしい説明は見つからなかった。

韓国の検査数は日本の24倍

 では、これらの数字を、感染者数が7000人に迫りつつある韓国と比べてみよう。下の表は、3月7日集計のKCDCのPress Releaseだが、累計検査数は17万8189人(Total)と日本の24倍近くにのぼり、陽性者は6767人だ。

 韓国の陽性発見率は3.8%(6767/178189×100)。先ほどの日本の数字よりも(7~13%近く)かなり低い。日本は、検査の条件を海外感染地域渡航、濃厚接触者に限っていたので、高率になるのかもしれないので、検査の敷居が低くなり、検査数が増えれば、発見率も低下するだろう。

 とりあえず、日本の陽性発見率で一番低い日だった7%を17万8189人に掛け合わせると1万2400人になる。5%ならば8900人だ。韓国の3.8%より低いとしても数千単位の数字になるだろう。

致死率は1%以下に落ちる

 検査数が増えて、潜在的な患者数が浮かび上がれば、致死率は低下するだろう。肺炎が重症化すれば新型コロナを疑って、検査するだろうから死亡者数は患者増に比例しては増えないだろうという前提だが。

 韓国の致死率は、7日時点で、0.65%(44/6767×100)と、日本の1.6%(449/7×100、厚労省の数字が出てないのでNHKの数字)より低い。潜在的患者数が顕在化すれば、1%を切るかもしれない。ただ、8日に名古屋市の男性が亡くなってから新型コロナの感染がわかったケースも伝えられているので(共同通信)、不透明なところもある。

 国内で感染者がかなり増えていることは、恐らく感染症の医師も想定済みだろう。感染者発生のヤマをなだらかにすることが大事という専門家たちの方針は納得が行く。というか、そう対応するしかなさそうだ。

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