新型コロナの「抗体検査」、欧米とのあまりの温度差が気になってきた

 

 きょう(4月2日)の日経新聞を読んで、「あれっ、抗体検査についてずいぶん欧米と受け止め方が違うんだなあ」と思う記事があった。そう感じたのは、きのう、都市封鎖中の欧米が期待をかける「抗体検査」のことを調べて、その知識を仕入れたばかりのせいだった(「新型コロナ 経済活動を蘇らせる「抗体検査」 欧米は着々準備」)。英国では、すでに抗体検査350万キットを購入しているなど、欧米が相当に力を入れていることがわかった。

経済正常化への切り札

 抗体検査とは、新型コロナウイルスに対する免疫の有無をチェックするもので、検査が陽性ならば免疫保持者を意味する(免疫の強弱も判明する)。欧米で期待が高まっているのは、ストップした経済、社会活動の場に強い免疫を持った人が戻り、国を正常化させる核になりうるからだ。

 そうした経済面だけでなく、感染の実態も把握できるので、公衆衛生上の面でももちろん役立つ。欧米がなぜ、抗体検査の実施に向け熱心に取り組んでいるのかを当方なりに理解した内容は、そんなところだった。

「あれっ」と思った日経記事

 で、「あれっ」と思った日経記事の話に戻る。きょうの日経朝刊5面に載った「コロナ検査、時間短縮カギ、10~15分、PCR必要性見極め、審査簡素化に余地」がその記事。1面に、「コロナ検査、世界に後れ、1日2000件弱、独の17分の1、拡大へ体制整備急務」という記事が大きく載っており、二つの記事がセットで感染検査を促す紙面展開になっている。

 5面の記事では、当方がきのうのまとめで取り上げたクラボウの抗体検査キットのことを書いているが、スポットを当てているのは、検査時間が10~15分と、PCR検査に比べ格段に速いなど、感染の有無をチェックするのに優れている点。抗体の有無をチェックすることの意義については書かれていない。

 つまり、抗体検査が持つ二つの顔--経済対策面と感染実態把握の公衆衛生面--のうち、公衆衛生面だけに焦点を当てている。「抗体検査」を都市封鎖でダメージを受けた経済の救世主と位置付ける欧米、「ゲームチェンジャー」とジョンソン英首相が表現する熱気とは温度差がずいぶん違うな、と感じたのだ。

 ちなみに、クラボウの製品紹介のHPには、「抗体検査試薬キット」と抗体と明記されている。

 もちろん、感染検査をもっと増やすことも大事だが、いまの日本は、感染爆発が心配され、都市封鎖に近い緊急事態宣言の瀬戸際にある局面だけに、抗体検査についてもっと掘り下げた記事を読みたかった。

医療体制の見直しも視野に

 たとえば、欧米のやり方の妥当性や、抗体検査の精度や免疫の持続期間、供給能力などについての知見だ。抗体検査を進めれば、強い免疫獲得まで至らないと判定された感染者も増える。いまは軽症患者も原則、入院措置を取っているが、すでに日本の医療機関も患者の受け入れに余裕がなくなりつつある。軽症患者増にどう対応するのか。

 きのうの当方のまとめでは、ドイツで抗体検査を大規模に実施する動きがあることをちょこっと紹介したが、そのドイツは、軽症患者は自宅療養の措置になっている。しかし、心配なのは、新型コロナの感染は家庭内が多いことだ。ドイツは家庭内感染にどんな対策を取っているのだろう。

 抗体検査について考えを進めると、そうした新型コロナに対する医療体制のあり方も視野に入ってくる。

 抗体検査については、日経だけでなく、ネットを検索してもあまり引っかかってこない。当方もきのう初めて欧米の動きを知ったのだが、欧米との温度差の違いが気になってきた。

本サイトのコロナウイルス関連記事は、こちらに13本あります(4月2日)

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