「アップル検索」開発中 「グーグル検索」に代わる日は来る?

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目次
グーグルから1兆円稼ぐアップル
「アップル検索開発中」の根拠
グーグルの広告を奪う DuckDuckGo買収の勧め

 365日、グーグルで検索しない日はないだけに「アップルがグーグルに代わる独自の検索エンジンを開発している」というネット記事(日経ビジネス)の一節が目に止まった。情報の出所元は英フィナンシャルタイムズ(FT)10月28日の記事だ。

 グーグルの検索エンジンは、世界シェア92.2%という圧倒的な存在(現代新書、シェアは中国除く)。そんな独り勝ちの領域にアップルが殴り込みをかけるのは構図として面白いけれど、「いまさら!?」感がある。牙城に攻め込む勝算は乏しい。

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グーグルから1兆円稼ぐアップル

 しかも、FTの記事が出る約1週間前の10月20日、米司法省がグーグルを反トラスト法(独占禁止法)違反で訴え、その訴えの中で、グーグルとアップルの知られざる巨額取引が明らかにされたばかりだ。

 その取引とは、まさに検索エンジンをめぐるもので、グーグルは、アップルのブラウザ「サファリ」に自社検索エンジンをデフォルトで設定してもらう見返りに、アップルに年間80億~120億ドルを支払っていたのだ。グーグルの利益の15~20%に当たる巨額な支払いだが、もちろんそれ以上のリターンが広告から得られる(GISMODO)。

 このビッグテック同士の握り合いは、IT業界ウォッチャーや欧米独禁当局者の間では周知の事実だったらしいが、米司法省の訴えで、
世間に知れ渡った。

「アップル検索開発中」の根拠

 そんなお互い巨利を手にする関係なのに、アップルがグーグルの領域に踏み込んでライバル関係に転じようなどとは思わないだろう。

 そうは言って、信頼度の高いFTの記事が発信地だけに、興味を持って調べてみると、FTの記事に先んじて、8月に英ネットメディア「Macworld」が同じ話をすでに伝えていた(iPhone Mania Macworldの原文はこちら。

 MacWorld、FTの記事内容をまとめると、アップルによる検索エンジン開発の根拠は,以下のようにいくつかあるらしい(GISMODO)。

▽アップルが9月にリリースしたiPhone向け基本ソフト(OS)の「iOS 14」では、ホーム画面でグーグル検索を介さずにWebサイトを検索しているようだ。
▽アップルは2018年にグーグルで検索エンジンの開発に関わっていた幹部、ジョン・ジャナンドレア氏を引き抜いた。
▽アップルは、しょっちゅう「アップルの画期的な検索技術の策定と運用」の技能のある人材を募集しているという。
▽アップルのクローラー(Applebot)がインターネット上を非常に活発に巡回しているそうだ。クローラーとは、Webサイト・画像・動画などのデータを収集・保存するプログラムで、検索エンジン開発のため、データを収集しているのではないかと言われている。

 人材の募集までしているし、こうした根拠を読むと、なるほどアップルが検索エンジンを開発しているのは、ほぼ間違いないのだろう。検索エンジンの開発は以前ほど技術的にハードルは高くないというから、アップルのようなGAFAの一角にある巨大IT企業にとっては負担になるほどの大事業ではなかろう。

 そもそも、iPhoneに質問するとSiriが回答のサイトを示してくれるのは検索エンジンの技術がなければできない芸当だから、考えてみれば開発自体は不思議ではない。

グーグルの広告を奪う DuckDuckGo買収の勧め

 そこからさらに、グーグルとの取引を断ち切り、アップルが独自の検索エンジンを持った方が利益面でも有利と見るアナリストもいる。

 市場調査会社、バーンスタインのアナリスト、トニ・サコナギ(Toni Sacconaghi)氏はバロンズの6月8日の記事で、アップルが検索エンジンの「DuckDuckGo」を買収すべきだと述べている(フォーブス)。
 

 DuckDuckGo(ダックダックゴー)は日本ではほとんど聞いたことがないが、ウィキペディアによると、利用者のプライバシーの保護と利用履歴等を記録保存しないことを運営方針としている。グーグルとの違いを打ち出している米検索エンジンだ。
 
 サコナギ氏は、アップルが独自の検索エンジンを手に入れた場合、現状でグーグルが得ている広告売上の全てを得ることは難しいにしても、グーグルから年間150億ドル程度の売上を奪うことになるとS分析している(同上フォーブス)。

 グーグルからの稼ぎを打ち切って挑むにはリスクが大きすぎる気はするが、DuckDuckGoの買収ぐらいは検討していてもおかしくない。
また、米司法省との裁判で両社の契約の見直しを迫られたときには、選択肢のひとつとして独自検索エンジンのカードは持っておいた方がいいのかも。訴訟が進展するのは年単位の話だとは思うが。

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