アマゾンCEO退任後のベゾス氏、宇宙事業にのめりこむか

スポンサーリンク

目次

全社員宛てにメール

「これは引退ではありません」

後任はクラウドの立役者

「私は今でもオフィスへ行く時にタップダンスをするくらい、この退任にわくわくしています」。いまや正社員130万人を抱えるアマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が、CEO退任発表の際に全社員に送ったメールの一節だ。

 2月2日(米国時間)の退任発表は突然だったので世界中を驚かせたと言っても大げさではなかろう。同時に発表した2020年第4四半期決算は、売上高が前年同期比44%増の1255億5500万ドル、純利益は同2.2倍の72億2200万ドルといずれも過去最高の絶好調で、文句のつけようのない退任のタイミングだった。

スポンサーリンク

全社員宛てにメール

 ベゾス氏は57歳。実際にCEOの座を退いて取締役会長になるのは今年第3四半期(7~9月)になってからだが、年齢的には、現役でバリバリ仕事できる齢なのに、いまなぜ退任するのか。

 社員へのメールや役員の話によると、CEOの仕事が忙しすぎるので、個人的にもっと掘り下げたい仕事をする時間が欲しくなったようだ。

 メール(Forbes)には、「会長になることで、引き続きアマゾンの重要な新規事業に従事しながら、Day 1 Fund(慈善基金)、ベゾス地球基金、ブルーオリジン(航空宇宙事業)、ワシントン・ポスト、その他の情熱に時間とエネルギーを持つことになります」と記している。ベゾス氏は、かつて2024年までに人や物を月に運ぶ計画をぶちあげている(BBC)。
 
  近年、ベゾス氏は、アマゾンの日常業務のほとんどから身を引いて、今回、後任に指名したアンディ・ジャシー氏らに権限を委譲していたという。ところが、新型コロナウイルスのパンデミックにより、昨春からアマゾンの日常業務に戻ることになった。新型コロナの影響でネット通販需要が急増し、無茶苦茶に忙しくなったからだ(東洋経済オンライン=The New York Times)。

 アマゾンのCFO(最高財務責任者)、ブライアン・オルサフスキー氏は、アナリストたちとの電話会議で、「アマゾンのような場所でのCEOの役割はあらゆるものを含んでおり、ほかのことをするための時間はほとんどない」と語るとともに、ベゾス氏のCEO退任を「彼の個人的な決断」と説明したという(同上NY Times)。

「これは引退ではありません」

 どうやら、アマゾンの仕事以外のことは一切できなくなってしまったので、そこから解放されたい気持ちが強まったのだろう。業績も過去最高の決算なので後進に任せるにこれほどいいタイミングはない。

 ベゾス氏自身もメールの中で、「これは引退ではありません。私は、これらの組織が与えうるインパクトにとても情熱を注いでいます」と述べている。

「これらの組織」とは、前述した慈善基金や宇宙事業、ワシントン・ポストのことで、CEO退任後は、アマゾンの日々の仕事には口を出さず、そうした仕事に専念するのだろう。ただし、買収や経営戦略の軌道修正といった節目ではベゾス氏はかじ取り役になるというのがアマゾン側の説明だ(ロイター)。

後任はクラウドの立役者

 後任のジャシー氏は、アマゾン創業3年目の1997年に入社、ベゾス氏の出張や会議に同行する側近。2006年にクラウド事業、AWS(アマゾン ウェブ サービス)の立ち上げに関わり、いまやアマゾンの収益の柱として育て上げた立役者で、後任には最適任者との評がもっぱらだ。

 その評がもっともなのは、AWSがマイクロソフトやグーグル、IBMのクラウドよりも一歩先を行っているからだ。グーグルの親会社であるアルファベットのクラウド部門の売上高は130億ドルで、アマゾンの450億ドルの3分の1以下にすぎない(Wired)。
 

 そんな断然に強いアマゾンのクラウド事業を築いたジャシー氏だけにベゾス氏の陰が薄れるアマゾンの行方に心配する声は少ない。
むしろ強すぎるアマゾンを警戒する声の方が大きいだろう。

スポンサーリンク

シェアする

フォローする