このデータベースがすごい! №1 セントルイス連銀は、1929年の数字もある

トランプ発の貿易戦争が経済に及ぼすダメージ度をネットで調べている時、ニューヨーク・タイムズに投稿された記事を読んで、確認したくなった数字があった。

記事の筆者はエコノミストらしいが、関税の報復合戦があれば、輸出で稼ぐ該当産業にはダメージがあるが、米国経済はほとんど国内消費が占めており、輸出はGDPの12%で、経済全体にとってはあまり影響はないというものだ(「Is this going to crash the U.S. economy?」の節に書かれています)。

貿易戦争というと、どうしても世界大恐慌のことを連想するのではないか。関税の報復合戦で、世界の貿易が縮小してしまい、各国を大不況に追いやったという展開が頭に浮かんでくる。

この記事では、現在、米国の輸出がGDPに占める割合は12%程度で、経済全体への影響は小さいというのだから、大恐慌にまで行き着いた時のその割合は、少なくとも30%ぐらいには達していたのではないか。

政治にしろ、経済にしろ、新たに起きた出来事に対して、そのマグニチュードをつかんでおきたい。過去の歴史との比較は、マグニチュードを測る物差しになる。大恐慌時の輸出の割合がわかれば、現在とのギャップをもっと実感できるし、今回の貿易戦争がどの程度の衝撃度なのかをつかめると思い、ぜひ確かめたくなった。

1920年、30年代の数字なんてあるのだろうかとネットを探したら、割と早く見つかった。米国のセントルイス連邦準備銀行が運営している経済統計データ「FRED」にあった。1929年からのデータをグラフで見ることができる。グラフ中にカーソルを入れると、年と数字も出てくるという親切さ!

旅行や貨物などのサービス収支も含んでいているから、正確には「貿易・サービス収支のGDPに占める割合(Shares of gross domestic product: Exports of goods and services)」だが、確かに、直近の2017年は12.1%となっている。

知りたかった恐慌時の数字を確認してみると、1929年は5.7%しかないのだ。輸出が激減した結果の数字であり、前年は30%以上あったのかもしれないが、残念ながら1928年の数字はわからない。

なので、この件に関するネット調査はまだ継続中。大恐慌以前の数字を探してみる。