アビガン投与を頼める病院とは 緊急使用例も可能か

「アビガンは、医療関係者にコネがないと投与してもらえないのか」という憶測が飛び交っているそうだ。投与を頼んでも、断られた患者がきっといるのだろう。ただ、アビガンは、投与できる病院が限られているも事実。そのあたりを整理してみたが、緊急使用で、アビガンを入手できる特例というか、例外もありそうなのだ。

 アビガンは、もともと新型インフルエンザの治療薬として国から承認された。新型コロナの治療に自由に使えるようになるには、治験を経て国の承認を得なければならない。現在、富士フイルム富山化学が治験中だが、6月までかかる。それから承認審査に入る。

投与できるのは1100病院

 でも、承認を待たずとも、いまアビガンを投与している病院はたくさんある。こうした病院で投与できるのは、アビガンの「観察研究」に参加しているからだ(注)。
 
(注)厚労省が医療機関向けに発した文書に、その旨が書かれている。

 観察研究とは、本来の適応とは異なる投与を行ったときの治療結果などを分析する研究で、患者本人の同意と病院の倫理委員会などの手続きが必要になる。
 
 現在、この観察研究に参加している医療機関は1100機関(4月26日時点)ある。2194人の患者に投与されている(上記厚労省文書)。
 
 新型コロナに感染、肺炎と診断されて入院中の、フリーアナウンサー赤江珠緒さんが、こうした事情を病床から次のように情報発信している。

「患者は入院の病院を選べませんが、たまたま、その病院が(研究対象グループとして)申請を済ませていた場合、使える、そうでなければ使えないというのが現状のようです」と説明。その上で「この申請が、必要書類などがかなり多く、大変な作業だったと医療現場の方から聞きました」と入院先の病院で取材した、医療関係者の声を紹介した(日刊スポーツ)。
 
 
 赤江さんは、研究に参加している病院だったので、アビガンを服用できたという。1100病院をリストアップした表でもないかと、探したが見つからなかった。4月にアビガン投与の症例を紹介したブログ記事(「「アビガン効き目あり」の報告相次ぐ 即効性の威力」)では、東京品川病院、名古屋大学医学部付属病院、東京慈恵医科大学葛飾医療センター、船橋中央病院を挙げたが、規模の大きそうな病院だ。人口100万人当たり8.7病院になるから、単純計算で東京都ならば120病院ぐらいあることになる。

1100病院以外でも投与できる

 で、さらに調べると、観察研究に参加できない病院も緊急使用として投与可能なようなのだ。
 
「大学病院医療情報ネットワークセンター(UMIN)」に掲載されている文書、「COVID-19 レジストリ参加が困難な場合」(図)は、藤田医科大学アビガン観察研究事務局にメールするよう伝えている(UMINは、全国42の国立大学病院のネットワーク組織)。

 緊急使用手続きを申請すれば(施設長承認は必要ですが、倫理審査は必要なし)、製造者からアビガンが届くそうだ。

 患者一人ごとに申請するのか、どの程度時間がかかるのかなど詳しいことはわからないが、この制度を利用すれば、文章を読む限り、倫理委員会を置いていない医療機関でもアビガンの使用は可能なのではないか。

 こうしたルートを通さないとアビガンは入手できにくいらしい。たとえば、「東京都足立区内にある病院の医師は「薬剤部にアビガンを入手しろと依頼したら、『流通ルートがないので無理』と言われた」という。」(毎日新聞)。

 今回、やや細かな話になってしまったが、自分や家族が感染したときに知っておいた方がいい知識と思いアップした。

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『アビガン投与を頼める病院とは 緊急使用例も可能か』へのコメント

  1. 名前:山本惠子 投稿日:2020/05/26(火) 21:06:26 ID:00e136e5c 返信

    勉強になりました。アビガンが広くつかえるようになるとほんとうにいいとおもいます。小田原は少なくはなっていないようでちょっとしんぱい