新型コロナ 政府の無策に経済界もついにしびれを切らした

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 新型コロナの感染者が再び増加する中、経済界もついに黙っていられなくなったか--そんな印象を受けた。日本商工会議所と東京商工会議所が、7月28日に発表した、新型コロナをめぐる政府への緊急要望のことだ(産経新聞)。

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国民が望んでいることを代弁

 PCR検査の拡充などを求めた、この緊急要望書を読んでみたが、社会・経済活動と感染拡大防止を両立させうために、政府がやらねばならない基本戦略がしっかり書き込まれている。たった2枚の要望書だが、恐らく、多くの国民が望んでいることだ。

 見た目は、改行が少ない文章で、びっしり書かれていて、取っつきにくい。実際、読んでも文章は堅くて、スッと読めない。そもそも、要望書のタイトルが、「活動再開の基礎的インフラである検査体制の拡充と医療提供体制の安定化に向けて」と役所の文書みたいで、タイトルからは、訴えかけてくるものがない。

 でも、我慢して読んでみると、政府がなかなか打ち出せない(打ち出すつもりがない?)新型コロナへの対策が書かれている。詳しくは後述するが、こんな内容だ。

①PCR検査の拡充と検査費の軽減
②医療機関への経営支援
③無症状、軽症患者の受け入れ施設確保
④感染者数だけでなく、検査人数、陽性率などの情報提供

 重症患者の病床数確保や休業補償なども必要だと思うが、とりあえず、最低限必要な対策は挙げられている。何より、「想定される感染拡大に対し、機動的に検査体制と医療提供体制を強化できる具体的な数値目標と時間軸を盛り込んだアクションプランを8月初めにも示し、国民と事業者の不安払拭を図られたい。」と期限を切って、アクションプランの作成を求めているところに着目したい。

 プラン作成にかける時間が短いのだ。日商の発表は、7月28日で、「8月初め」の期限だから、きわめて短期間での作業完了を求めている。

 勝手な想像だが、政府から、その種のアクションプランが出るのを待ち続けたが、1カ月経っても、2カ月経っても出てこない苛立ちが表れているのではないか。

 想像は脇に置くとして、緊急要望の中身をもう少し詳しく見ていこう。「新型コロナは簡単には終息しそうもない」と考える人が増えているはずだが、緊急要望も、感染拡大する可能性があることを前提に、感染拡大防止と社会・経済活動の両立を探る方策を探っている。

徹底検査で陽性者隔離を求める

 まず、①のPCR検査の拡充。
 検査の目的を、「感染源を早期に特定し、接触者を早期に追跡・隔離することで二次感染を防止すること」に置いている。このため、症状のある人への検査を迅速に行うのはもちろん、無症状でも感染リスクの高い場所にいる人や入国者等を徹底的に検査すること」を目指す。「攻めの検査」と呼んでいる。

 検査件数については、「1日10〜20万件の検査体制が必要との指摘もあり」と、あくまでも、そうした考え方もあるとの書き方をしている。PCR検査の拡大に疑問を持つ感染症専門家がいるので、いまの日本にふさわしい「解」を求めて、専門家との議論の余地を残したのだろう。

医療機関への経営支援

 ②の医療機関への経営支援については、医療機関は、社会・経済活動を続けていくために必要不可欠な「基礎的インフラ」であると位置付けている。そのうえで、「コロナ禍で経営が厳しい状況に陥っている医療機関への支援等が鍵」として、「コロナの影響に伴う一時的な減収に対する支援等が必要」としている。

 経営が厳しくなっているのは、コロナ患者を受け入れた医療機関だけでなく、受け入れていない医療機関も感染不安による受診抑制で外来患者が減少しているとの認識だ。

 第2次補正予算で、1兆6279億円の「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」が決まったが、要望は、「同交付金の増額を図るとともに、コロナ専用病棟等の環境整備も進められたい」とさらなる支援を要請している。

ホテルの借上げが不可欠

 ③の無症状、軽症患者の受け入れ施設確保については、「攻めの検査」で、軽症・無症状の陽性者が一時的に増加すると見込まれるので、「ホテル借上げ等宿泊療養施設の戦略的な確保が不可欠である。十分な規模で施設を確保されたい」としている。

 これは、私見だが、無症状、軽症患者は自宅療養を採り入れることも検討してもいいのではないか。その場合は、医師が毎日患者に電話やネットで症状を確認するなど、きめ細かいケアが絶対に必要だが、ドイツは、実施している。日本でも、住宅事情が許す家庭は、選択肢の一つとならないだろうか。

 ④の情報提供については、「国民や事業者が、正しく感染状況や危機意識を共有できるよう、感染者数だけでなく、検査対象や件数、陽性率、感染者年齢層、経路不明者割合、重症患者数、受入病床の状況等を適切に情報提供していく必要がある」としている。

 これももっともだ。「感染者数が増えたのは、検査が増えたから」という意見の真偽も、感染者だけを追っていては、判断しかねる。厚労省は、検査人数等も1日遅れで発表しているが、国民が、何で増えているのかが、ひと目でわかる情報提供の仕方が必要だろう。

 こうした基本戦略が政府から出てこない日本の政治、官僚組織の現実が悲しい。

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