貿易紛争 焦点は、米中衝突と自動車関税 ②

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米トランプ大統領が仕掛ける貿易紛争の今後の二つの焦点について。ひとつは、昨日アップした米中衝突で、もうひとつは、いま米商務省が調査中の自動車関税だ。

調査の目的は、自動車・自動車部品の輸入が米国の安全保障を損なう恐れがないか明らかにすることだ。今年3月に発動した鉄鋼、アルミニウムへの追加関税の根拠となった米通商拡大法232条に基づくもので、調査開始から270日以内に調査報告を大統領に提出する。実際、鉄鋼、アルミも9カ月近くかかり、その例にならえば、5月23日に始まった自動車への調査が終わるのは、来年になる。しかし、トランプ大統領は6月29日に、調査は「3~4週間以内」で完了するとの見通しを示しており(朝日新聞)、8月中にも報告が提出されそうだ。11月の米中間選挙に間に合わせるつもりなのだろう。

自動車・同部品への関税には、米国へ輸出している日本、欧州の自動車、自動車部品メーカーだけでなく、米メーカーからも反対の声が出ている。米ゼネラル・モーターズ(GM)は、6月29日、自社の競争力を損なう恐れがある」との意見書を商務省に提出した。輸入車への関税になぜ米メーカーの競争力が損なわれるのかというと、「コストの上昇や海外市場での報復措置などを招く恐れがある」とからであり、「国内外での事業規模の縮小を強いられる」と訴えている(時事通信)。

ホワイトハウスの保護貿易主義者、ナバロ国家通商会議(NTC)委員長は、「コスト上昇」という主張にかみついたようで、CNNとのインタビューでGMの見解について、世間を欺くための「まやかし」と批判。関税がGM車1台当たりの価格に与える影響は「豪華な車のフロアマット1枚分」と同程度だと述べたという(ブルームバーグ)。

一方、トランプ大統領は、調査報告が出る前に「税率は20%」と発言するなど、気分はすでに「自動車関税実施」の境地にあるようだ(毎日新聞)。

トランプ関税攻勢に対するエコノミストたちのこれまでの反応からすると、自動車をめぐり報復合戦があったとしても経済全体に与える影響は小さいという結論に変化はないのだろう(New York Timesの野村アメリカエコノミストのコメント)特に、米国経済にとっては、大型減税もあり、景気の足を大きく引っ張るようなことはないのかもしれない。

しかし、当事者である自動車産業にとっては、影響は大きいだろう。グローバルなサプライチェーンの混乱も未知数である。もっとも、「事業規模の縮小」に迫られるほどのダメージなのか、「フロアマット1枚分」なのか、さっぱりわからず、「大きそうだ」と感じるだけなので、具体的な数字などが出てくれば紹介していきたい。

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