注目の米中、日仏首脳会談の結果

ブエノスアイレスのG20首脳会議に合わせて実施された米中、日仏首脳会談をニュース編集する。

トランプ、習近平による米中首脳会談は1日(日本時間2日)、夕食会形式で約2時間半行われた。中国による①技術移転の強制②知的財産権保護③非関税障壁④サイバー攻撃⑤サービス、農業の5分野について米中の交渉を始めるが、期限は2月いっぱい。物別れには至らず、追加関税の引き上げも回避されたことから、3日の東京、上海の株価は1%以上上昇している。

会談後、ホワイトハウスは大統領声明を発表した。主な内容は次の通り。
「2019年1月1日に中国製品2000億ドルへの追加関税を25%に引き上げず10%のままにすること」に同意した。

「中国はまだ同意したわけではないが、大量の米国産農産物、エネルギー、工業製品等々を購入することに同意するだろう。農産物の購入はただちに始める」

「両首脳は、技術移転の強制や知的財産権保護、非関税障壁、サイバーによる侵入、サービス、農業の問題についてただちに交渉を始めることに合意し、90日以内に妥結させなければ関税を25%に引き上げる」

「朝鮮半島の非核化が進み、今後も両首脳は協力していく」

協議が90日以内と設定されたのは「例年3月に開かれる中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が念頭にあるとの見方を伝えている。仮に協議が決裂して米国が追加関税の発動に踏み切れば、習政権には政治的に大きな打撃となる」からと米メディアは伝えているという(日経新聞)。

中国の南シナ海進出など安全保障問題に言及がなかったと厳しめに見るメディアもあるが、貿易問題が喫緊であり、2時間半の夕食では、そこまで議論するゆとりはないだろう。

ルノー・日産連合の維持を確認

安倍、マクロンによる日仏首脳会談は30日(日本時間1日)に実施、たった15分という短い時間だった(朝日新聞)。仏大統領府は「ルノーに関するやりとりは簡潔で、法的な手続きにのっとって物事を進めていく必要性を確認したにすぎない」との声明を発表。これによると、マクロン大統領は「アライアンスとグループの安定を保持する意欲」をあらためて表明した(ブルームバーグ)。

一方、日本側の発表では、安倍首相は、「3社連合は日仏産業協力の象徴で、安定的な関係を維持していくことが重要だ」と指摘したという。

また、3社連合のあり方について安倍首相は、「民間の当事者で決めていくものだ」との認識を示し、「今後の3社連合のあり方は政府が関与するものではなく、当事者が納得いく形で、議論が建設的に進むことを期待している」と述べた。両首脳は、3社の安定的な関係の維持が重要との認識で一致したという(同上朝日)。

あらかじめ核心に触れる質問を出しておいて、それに「Yes」か「No」の答えを準備しておくならば別だが、15分では突っ込んだ話には進まないだろう。「日本政府を通じて日産への圧力を強めたいマクロン氏に対し、首相は慎重姿勢を崩さず、温度差もみられた」(共同通信)が、とりあえず、3社連合の維持と、外交問題に発展させる気持ちがないことを確認し合ったというところなのか。

11月28日の3社トップ会談でも、資本提携の見直しや3社連合のトップ人事のようなややこしい話には至らず、アライアンス維持を確認しただけだった。

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