米議会は中国企業に強硬 ZTE制裁ではトランプに反旗

トランプ大統領は、米中貿易紛争のほこをそろそろ収めたいのではないかとの推測を先日書いたが(Kobaちゃんの硬派ニュース)、そのトランプ氏の思惑に待ったをかけるのが対中強硬派だ。

政権内では、ライトハイザーUSTR代表、ロス商務長官、ボルトン大統領補佐官、ナバロ通商製造政策局長らだが、議会にもトランプ大統領に安易な妥協を許さない勢力があることは、昨年の中興通訊(ZTE)の制裁解除をめぐる大統領との対立が示している。

今年早々には、華為技術(ファーウェイ)とZTEを対象に制裁につながる法案を超党派議員が提出しており(後述)、3月1日を期限とする今回の米中90日間交渉にトランプ大統領も議員たちの動きは無視できない。なので、過去の話だが、昨年の議会VSトランプ大統領の経過を振り返ってみた。

対立は、5月13日にトランプ大統領が「中国の習近平国家主席とZTE救済に向けて協力しているとツイートした」ことから始まった(ウォールストリート・ジャーナル)。

中国の通信機器大手、ZTEは4月16日に、「イランや北朝鮮に対し通信機器を違法に輸出していたとして、米企業によるZTEへの製品販売を7年間禁止する」制裁を受けた(ロイター)。

制裁の影響で、ZTEはクアルコムなど米IT企業から半導体部品を調達できず経営危機に陥った。習主席に泣きつかれたトランプ大統領は制裁解除へと動いたが、議会の対中姿勢は厳しく、真っ向から対立した。

トランプ氏に反旗

6月7日に米商務省がZTEとの間で、最大14億ドルの罰金や経営陣の刷新など条件に制裁を見直すことを合意したと発表すると、米上院は同18日に、「ZTEへの米国製部品の販売を再び禁じる法案を賛成85票、反対10票で可決した」。ウォールストリート・ジャーナルはこれを「トランプ氏に反旗」との見出しで伝えた。

経営陣の交代など結構厳しい条件だと思うが、それでも議会は制裁解除を認めず、しかも賛成票数を見れば与野党ほぼ一致の勢いだから、中国への姿勢が大変厳しいことがわかる。

議員たちの間では、中国IT企業への警戒感が強く、米国の機密情報を盗むのを防ぐため制裁続行を望む声が多かったが、最終的には7月20日ごろ、制裁解除阻止を断念した(共同記事=産経新聞)。

対中強硬派の牙城

米議会の対中強硬派は、「米中経済安全保障再考委員会(USCC)」という超党派の諮問機関を拠点にしているようだ。

年に一度、報告書を公表しているが、2016年の報告書は、中国による対米投資制限法案の成立につながった。2017年には「中国が北朝鮮への制裁を履行していない」と批判。トランプ氏が北朝鮮問題で対中批判を強める契機となった(日経新聞)。

2018年版は昨年11月14日に公表したが、次世代技術の覇権争いで「中国が米国を追い抜こうとしている」と指摘。「なかでも次世代通信「5G」とIoTで中国が先行すれば「中国政府が米国の情報を収集する広大な権限を得ることになる」と警鐘を鳴らした」(同上日経)。

さらに今年になって1月16日、議会の超党派議員は、ファーウェイ、ZTEの2社を主な対象に大統領権限で強力な制裁を科せるようにする法案を提出した(日経新聞)。法案提出者のひとり、コットン上院議員(共和党)は声明で「ファーウェイは事実上、中国共産党の情報収集機関だ」と糾弾したという(日経新聞)。

90日間交渉は「中国の米国からの大量購入+α(構造的問題でいくつかの改善案)」で合意がメインシナリオだと思うが、議会がこれをどこまで左右するか。

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