今週も米選挙予測サイト、RealClear Politicsで、米中間選挙の見通しをチェックしてみよう。
22日午前10時にアクセスした結果が、この下の表だ。先週、勢いを増していた共和党が下院でブレーキがかかった。
※RealClear Politicsの予測の見方については、8日のブログに少し書いたので、ご参考に。
RealClear Politicsの中間選挙予測獲得議席数 | ||||
【上院】 | 過半数51 | |||
5日18時 | 7日15時半 | 15日8時 | 22日10時 | |
民主党 | 44(37,3,4) | 44(37,3,4) | 44(37,3,4) | |
共和党 | 48(46,1,1) | 50(46,1,3) | 50(46,1,3) | |
激戦 | 8 | 6 | 6 | |
【下院】 | 過半数218 | |||
5日18時 | 7日15時半 | 15日8時 | 22日10時 | |
民主党 | 206(173,14,19) | 205(173,14,18) | 205(173,14,18) | 205(173,14,18) |
共和党 | 194(161,13,20) | 196(161,13,22) | 201(161,13,27) | 199(155,18,26) |
激戦 | 35 | 34 | 29 | 31 |
※カッコ内の数字は「安全圏、優勢、やや優勢」 の順 | ||||
上院の「安全圏」は非改選議席を含む |
上院は、共和党、民主党とも1週間前と全く変わらなかった。しかし、下院は、共和党の予想獲得議席数が、201から199へと2議席減ったうえに、その内訳も、「安全圏」が161から155へと6議席減らした。「優勢」へと当選確率が落ちた。また、「優勢」「やや優勢」から2議席が激戦へと転じている。民主党下院は変わっていない。
この1週間の変化が今週も継続するのかどうか。11月6日の投票日が迫ってきただけに、数字に重みが増してきた。
中間選挙に対する有権者の関心は高い。ウォール・ストリート・ジャーナル日本版が22日伝えた、同紙とNBCニュースが実施した新たな世論調査によると、「登録有権者の約3分の2は中間選挙に強い関心を示した。この割合は、WSJとNBCが2006年に共同調査を開始して以来で最高だ」という。共和・民主両党に共通している。
共和党支持者の関心の高まりは、トランプ大統領の支持率上昇につながっているようで「トランプ氏の仕事ぶりを評価するとの回答が就任以来で最高の47%に上昇した。評価しないとの回答は49%だった。9月の44%、52%から改善した」。
一方、どちらの党が議会を支配すべきかとの質問に対しては民主党がリードを保った。「実際に投票する公算の大きい有権者の50%は民主党、41%は共和党が支配すべきだと答え、先月の調査とほぼ同じだった。登録有権者全体ではそれぞれ48%、41%だった」。
日本の選挙では、支持政党なしの無党派層の割合が大きく、この層の取り込み成功が選挙の勝利につながるが、米国の選挙は共和・民主の色の違いがますます鮮明になってきているようだ。
保守派だけにアピールする政策
以前から指摘されているが、米国を二分させるトランプ氏のやり方で、21日のニューヨーク・タイムズ(電子版)は、トランプ政権の新たな「二分政策」を報じた。LGBTの「T」を認めないということだろうか。
トランプ政権が、性の定義を生まれつきの性別に限定し、変更を認めない措置を検討しているというのだ(日経新聞)。同性婚などを認めるリベラル派に真っ向から歯向かう政策で、「11月の中間選挙を間近に控え、共和党支持層の保守派にアピールするねらいとみられる」。リベラル派の票は完全に捨て切っている。