新型肺炎の致死率は1%程度の可能性も お役立ちサイト紹介

 新型コロナウイルスの最新感染情報について、役立ちそうなサイトを紹介しておきます。メディアの報道に、新たな視点を提供してくれると思います。

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①リアルタイム中国感染状況(テンセントが運営か)

 中国全土の感染者数、疑わしいケース、回復した人数、死亡数がひと目でわかる。中国語のサイト(写真1)だが、長い文章ではなく、数字が中心なので、おおよその意味は分かる。グーグル翻訳で訳してもいい(写真2)。

新型肺炎に有力な治療薬 迅速な中国科学界」で引用したHattoriMさんのツイーッターで知った。

写真1

 サイトの運営元は、中国の大手SNS、テンセント(騰訊)のようだ。URLのドメイン「news.qq.com」に遡ると、「騰訊網」というニュースサイトが現れるからだ。

 データの出所元は、「全国および地方の健康委員会が毎日の情報を公開」とある。日本のメディアが伝える患者数も出所元は同じようだ。

 ただ、日本にはあまり伝えられていない数字があり、目を引く。「疑わしいケース」だ。致死率を左右する数字ではなかろうか。

 2月2日午前11時47分の「疑わしいケース」の数字を見ると1万9544人と感染者数1万4411人をかなり上回っている。

写真2 グーグル翻訳したもの

「疑わしいケース」とは、せきや発熱の症状を訴えているけれど、まだ検査されていない患者のことだろう。その中には、従来のかぜやインフルンザの患者もいるから、新型ウイルス感染者を「疑わしいケース」1万9544人のうち、5000~1万5000人としよう。そう考えたら、致死率は1.57~1.03%となる。

 日本のメディアでは、2%という数字が伝えられているが、これは検査でウイルスが確認された患者数が分母になっているようだ。

 もちろん、死者数がもっと多い可能性も否定はできないが、ひとまずこの数字を信用するとして、致死率は、インフルエンザの0.1%よりも高く、SARSの10%よりもかなり低い水準といえる。

   武漢市の致死率は5.5%

 このサイトをさらに下にたどると、直轄市、省別の数字が多い順に出てくる。最初の感染地、武漢市がある湖北省が圧倒的に多い。累積患者数は9074人、死者数は294人。とりわけ武漢市は、累積患者数4109人で死者数224人にのぼる。致死率5.5%だ(この欄には「疑わしいケース」の数字は出ていない。

   浙江省は患者661人で死者ゼロ

 次いで、患者数が多い省は浙江省で661人、広東省が604人と続く。しかし、両省とも死者数はゼロだ。

 湖北省以外の残りの死者10人は、河南省、黒竜江省2、四川省、河北省、海南島、重慶市、上海市、北京市が1だ。患者発生が密になると深刻化するが、まばらに抑えることができれば、人命にはほとんど影響が出ていないことがわかる。

 サイトはこのほか、ここ2週間ほどの患者数の推移をグラフ化しており、感染の強弱、行方をつかむのに役立ちそうだ。

※この原稿を書いた後で、感染症専門医の忽那賢志さんの「徐々に見えてきた新型コロナウイルス感染症の重症度と潜在的な感染症数」という記事を読んだ。武漢から帰国した日本人の感染率から致死率はあまり高くないのではないかと言っている。専門家が同様の見解を示しているので、当方の見方も見当外れではなさそうだ。

 忽那さんは、武漢から帰国した日本人565人のうち感染者が8人と、中国よりも感染率が高いことに注目。患者を見逃すまいと、軽症、無症状の人もきちんと拾い上げたからと見る。

 そして、こうした軽症者、無症状者を含めれば、武漢市の実際の患者数は10万人くらいではないか、だったら、武漢市の致死率はもっと低いのではないかと推定する。

 さらに、湖北省以外の中国全土の致死率が0.2%、中国以外は0%という事実から、「新型コロナウイルスの拡散はとどまるところを知りませんが、一方で重症度については当初の想定よりもずっと低くなりそうです」と結論付けている。

「インフルエンザ並み」という結末も見えてきたということだ。この1週間で、どっちへ転ぶかがはっきりしてくるだろう。 

②感染マップ 米ジョンズ・ホプキンズ大学運営

写真3 リアルタイムで、患者数と死者数、回復した患者数が更新される。こちらで大きく表示されている数字は全世界を示している。赤い丸はウイルスの拡散を表し、丸の大きさは拡散の大きさに対応し、クリックするとその地域の情報が表示される。地図は右下の(+-)で拡縮できる。

 ビジネス・インサイダーの記事で知ったサイトで、ジョンズ・ホプキンズ大学の研究者が、アメリカ疾病対策予防センター(CDC)やWHO(世界保健機関)、中国当局などのデータと地理情報システムを用いて、新型コロナウイルスが拡散する様子を追跡し可視化している(写真3)。

 ソニーネットワークコミュニケーションズMANOMA

③ネットに飛び交う陰謀説 BBC

 今回の新型コロナウイルスをめぐり、陰謀説や偽情報がネットに広がっており、BBCが出所元を突き止め、伝えてくれている。

 陰謀説のひとつは、、ビル&メリンダ・ゲイツ財団が資金を提供している英国のパーブライト研究所が、何年も前から新型コロナウイルスの存在を知っており、今回の流行は、ワクチン開発への寄付を促すため、故意に計画されたというもの。

 広めたのは、ユーチューバーで陰謀論者のジョーダン・サッシャー氏という。その筋では、有名らしい。サッシャー氏は、同研究所の特許書類までネット上から見つけ出し(調査力はすごい)、それを証拠としている。

 BBCによると、確かに書類はあるが、「特許は新型コロナウイルスではなく、ニワトリが感染するコロナウイルス「鶏伝染性気管支炎ウイルス」に向けたもの」と明かしている。

 もう一つの陰謀説は、米紙「ワシントン・タイムズ」という、「ワシントン・ポスト」と「ニューヨーク・タイムズ」を合わせたような名前の新聞が出所元になっている。1982年に世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創設者である文鮮明氏によって創刊されたもので、保守的な論調で知られる新聞だ(ウィキペディア)。

 同紙は、イスラエルの元情報機関職員の話として、新型ウイルスは中国の「密かな生物兵器プログラム」の一部で、武漢のウイルス研究所から流出したものという記事を流したが、これが拡散しているという。

 BBCによると、記事の中で、イスラエル関係筋は、ウイルス流出の「証拠やそれを示唆するものは今のところない」と述べているそうだが、現時点(1月29日)で、何百ものソーシャルメディア・アカウントで拡散され、数百万回は読まれているとという。

 日本のネットメディアでも、「「燻る「新型ウイルス=生物兵器」説、専門家が解説」といった記事(JBpress)に、「米メディアなどでは「現地の病源体研究機関から漏れた」「中国の生物兵器」とする指摘や疑念も提示されている」と書かれているが、「米メディア」とは恐らく、「ワシントン・タイムズ」を指しているのだろう。

 BBCの記事には、防護服を身にまとって湖北省の看護師を装うYouTube動画なども紹介されており、フェイクへの執念に驚くばかりだ。

参考記事:新型肺炎に有力な治療薬 迅速な中国科学界

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